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プロ奏者向けの弓です。(と聞いて独有名工房より2006年に買った)H.R.Pfretzschnerは、仏の有名製作者であるJ.B.Vuillaume(ヴィヨーム)の最後の弟子として有名な様です。どうりでドイツの作者なのにフレンチの作風にしか見えないと思ってた、、、、(^^;
数ある出品の中から、ご覧頂きまして、ありがとうございます。只今、コレクションの整理中ですので、お気に召す楽器がありましたら、どうぞご検討下さいませ。 このオークションはオールドバイオリン(An Old Violin)及びオールドボウ(An Old Violin Bow)に対して興味をお持ちの方に読み進んで頂ける事を望みます。 いつもの事ですが、先ずは私の拙い作文を読んで頂きまして、ご検討頂きたいと考えております。(面倒な方は読み飛ばして後半へどうぞ) 「バイオリン奏者は、なぜオールドフレンチボウ(French Violin Bow)を求めるのか?」 貴方は今まで「なぜフランスの古いバイオリン弓が良いとされるのか?」と、考えた事がありますか?私は、世間に流れる偏った情報?により「バイオリンはオールドイタリアン!」「弓はオールドフレンチ!」という風に脳に刷り込まれていました。今でもその名残はありますが、今では言葉に踊らされる事は無くなりました。そのあたりの話を誤解を解くかの様に、私の想いとして書いています↓。 先ずは、弓の製作者においての一般論的な視点で考えてみました。昔、フランスには弓製作のストラディバリと言われた「フランソワ・トルテ(1747-1835)」と言う有名な弓製作職人がいました。彼は、現代音楽(室内楽ではないコンサートホール等での演奏会)に移り変わる時代に、テンションの強い弓(ホールで力強い大きな音が出せる弓)を考案した事で有名になったそうです。又、同じくフランスの「ジャン・バティスト・ヴィヨーム(1798-1875)」は、親の職業であるバイオリン製作を始め、後に弓に対しての意欲が強くなり、ドミニク・ペカットなどの名工達と協働して腕を磨き、後に自身の工房でも弓に対しての研究を続け、沢山のアイデアを具現化すべく、自社工房の職人に新しいタイプの弓を作らせていた様です。ヴィヨームは何よりも、職人として活躍した以外に、研究と指導、監督業務に注力した事で、狂いのない素晴らしいバイオリンや弓を製作販売する工房という事で有名になったようです。その他、ボァラン(F.N.Voirin)などは、その作品(弓)に対して「魔法の弓」とまで形容されるような優れた弓を製作していた事で”Bow Makerの象徴”とされていたのでしょう、後年に名工と言われたA.Lamyラミーや、C.N.Bazinバザンなども、憧れの意なのかビジネス的視点なのかは分かりませんが、ボァランの死後に「Voirin」の刻印をつけて販売していたそうです。この様に、突出した技術と性能を持つ弓製作者が、フランスから多数出た事で「フレンチボウは最高」となった一つの要因と考えます。そして、私たちが知るこの名工達は、同じ工房で師弟関係にあったり、仲間であったり、技術的な伝承や研究が、日常で行われていた事もフレンチスクールの弓が優れている理由でしょう。 次に、弓の製作に関する”素材”の追求(研究)から得た結果が素晴らしかったと言うのが、もう一つの理由だと思います。当時、バイオリンの弓の製作に、本来は染料の原料として使っていたフェルナンブコ材を、染料としてではなく木材そのものを、弓製作で試しに使ってみたら、、、驚くほど良い弓が出来る事が分かりました(^^)/更にそのフェルナンブコを使ってどの様に作れば良いのかを研究し始めたのが、フランスだったと言う事(らしい)です。実際には、その材料の産地はブラジルなので、後にフェルナンブコ材が良いとわかれば、他国も弓製作の為にブラジルから輸入を始めたのでしょうが、その時点では既に有名になっていた「フレンチボウ」に軍配が上がるのは必然なんでしょうね。この時代の情報伝達速度は遅かったでしょうからね。。。 結果として、今は時代も変わり、その技術等も師弟関係系譜の拡大や情報の輸出入などを含めて拡散したことで、フランスのみならず各国で良質な同レベルのバイオリン弓を作る事ができる様になりました。(と勝手に解釈してます) それは、バイオリンにおいても同様で、知らない人が居ない程に有名な名工”アントニオ・ストラディバリ”の様に、イタリアのメイプル材を使って、ストラディバリの製作理論と技術を駆使して作られたバイオリンは当時は最高でしたが、これも弓と同様に、その後は弟子への継承や技術の拡散で、世界各国で良質なバイオリンが作られる事になっている事から明らかです。 と、言う事は、今やイタリアンやフレンチなどにこだわる必要はないと言う事か……
↓ここからはヒストリーに対する考え方を少し(^^;;;; 「いや待てよ…」「それでもバイオリンの最高峰は?と聞かれると、こぞってStradivarius(アントニオ・ストラディバリ)と答える人が多いのは、なぜでしょうか?」 「んんmm…」
考えられる答えとしては、色々ありますが、その一つとして歴史的背景が重要なんじゃないか?と私は思っています。 あくまで私の個人的な意見ですが、例えば、日本が誇る伝統芸術作家である尾形光琳作18世紀(江戸時代)の蒔絵硯箱が、本物(真作)で100万の価値があったとしましょう。 江戸時代に、ずば抜けたセンスと技術を持っていた尾形光琳の「美的感覚」「見事な漆塗り」「緻密な螺鈿細工」などは、当時は真似のできない技術だったのでしょうが、現代の技術では簡単にソックリのコピー品ができてしまうのではないでしょうか。それでも、実際に再現品を製作する場合には、相応の手間がかかるでしょうから、コピー品でもそれなりの高額品(例えば20~50万円とか)となるでしょう。 この場合もそうですが、何を求めて買うのか?によって、所有する価値観は全く異なると思います。尾形光琳っぽいものが欲しい方は、安く買えて、それなりに似たモノで有れば満足できる人。(この場合は本物よりも仕上げ精度が良い場合が多い。工具も最新だし、何しろ新作だから) 対して、本物を求める人は、恐らくその作品を愛でて所有の喜びを感じる瞬間には、江戸時代より綿々と伝わる時代の息吹(ヒストリー)を味わっているに違いない…本物や時代物を所有する喜びはこの様に差別化され、目を瞑れば悠久の時を感じる高尚な趣味の世界へ誘われていく…↓~~~~~~この硯箱はどんな材料を使ってるんだろうか… 漆の仕上げが素晴らしい! どこの産地の漆を使って、どんな筆で塗ったのだろうか… 螺鈿細工の貝の使い方で、煌めきがこの様に変わるのか… もしかしたらストラディバリの様に昼間でも薄暗い部屋で、自然の太陽光を斜めに受けて貝の輝き方を確認しながら細工のバランスを考えたのだろうか… なるほど~ 琳派特有の模様のバランスは、後の日本画に影響を与えた事が窺い知れる… あっ、この傷は、200年以上も前の持ち主がどうやって傷つけたのだろうか… 江戸時代にこの様な逸品を所有できる人は高貴な方だったのでしょう… それを今所有する私は、当時の高尚な方々と同じ趣味を持っている… などなど、過去を遡り、江戸時代の人々から明治大正に続く歴代所有者の様子などを想像しながら、作品を直接見て触れて肌で感じる事ができる…~~~~~~これが(後者の)所有する喜びなんじゃないでしょうか? と、私は感じています。 そして、その所有物に対する価値の目安が、価値→価格に反映されているのは間違いありません。この世に一つしかないモノを欲しがる人が多ければ多いほど、購入する権利が明確でなければいけません。その心理をビジネスモデルにしたのが「オークション」ですね。他人よりも高い価値交換の条件(一般的には価格・金額)を出すと、欲しいモノは自分の所有物になる。逆に他人の方が高い金額を支払うと、欲しいモノは他人の所有物となる。非常に単純明快な結論の出し方ですね。私がバイオリンの蒐集を始めた25~30年程前は、バイオリンのオークションといえば海外のサザビーズ、クリスティーズ、ボナムス等の有名オークションハウスで楽器の出品が活発でした。近年ではネットオークションや弦楽器(専門)オークションに比重が移っている様です。サザビーズに一度だけチャレンジした事がありますが、要領を得ないでエントリーでしたので、何も落札できませんでした。その後に、海外オークションハウスで何本も落札しましたが、驚くのは本体落札価格以外に発生する別の料金です。先ずはエントリーフィーの支払い、落札手数料(20%程度)の支払い、海外発送shippingが高額!(普段のUPSで100$程度の送料がオークションハウス指定業者だとなんと5倍の500$以上だったりとか!)を支払い、発送保険料を加算して支払い、手数料として全ての支払いに対する5%を支払い、国内で関税への支払い、、、、落札金額以上に支払うその他の料金は想定外の大金です。そこまでして海外オークションハウスでの買う必要があるのか?と思い改めて、それ以降は時々しか参加しなくなりました。時折ですがeBayでの入札はしていますが、最近は余り良い楽器が出ないですね。
2022年のオールドバイオリン、オールドボウの平均値(価格)は、25年前と比較してみると、非常に上がり幅が大きく、特にオールドバイオリンが上がっている様に感じます。1800~1700年代の作品になると単純に2倍以上になっている場合もあるようです。但し、作者由来による強烈な相場上昇は近年ではない様です。(↑業者ではないので詳細に調べた訳ではありませんが、ほぼ毎日の調査と感覚知と経験値と過去の個人データからです。) そして、古い弓(Old Bow)も同様に価格は上がっていますが、バイオリンと状況は少し違って、何よりOld Bowはミドルレンジ(3000~10000$程度)の弓の流通量が減ってきた様に感じます。新作弓や中国製のリーズナブルな楽器や弓は、Web社会の中で、逆に流通量は増えていますね。古い楽器(オールド)の価値上昇と下落について考えた場合、特に弓はクラックや傷、折れ、破損などによる致命的なダメージを持つと非常にヤバいです。バイオリンの場合は、リペアしてもそれ程価値が下がらない的な要素がありますが、弓はダメージを受けると完璧なリペアしても無価値に近くなってしまいます。新作でも相当に良い弓は有りますが、過去時代に使用されたブラジルウッド(フェルナンブコ含む)の質がバイオリン演奏に適している事もあるでしょうし、この様に考えると、オールドバイオリンよりも、オールドボウの健康な状態を保つ現存数は減る一方なので、これも価値価格が上がっていく理由の一つだと考えられます。2022年においては円安となった事も大きく影響していますね。
しかし!!運命的な楽器との出会いは、場所と時間を選んではくれません!! 楽器店に何気なく立ち寄った時に「痺れる様な感覚を持った素晴らしいバイオリン」と偶々出会った!思ったより高額だ… 今はお金が無い… 景気が悪くボーナスも見込めない… でもどうしようもなく欲しい… よりにもよって何故今のタイミングに、こんな素敵な楽器と出会うんだよ~!と、自分の運命等に反発した事はありませんか?私はしょっちゅう有ります(^^;
でもその時の自身の決断が、その後の生き様を決める事になりますね。あ"~、あの時に買っておけば良かった~(;;)と言う時もあれば、、、いや~、あの時に買わなくて良かった~!ホッ(-o-;と言う時もありますし、趣味の世界観なので、各個人の想いの差でもあるんでしょうね。
以上が、私がオールド楽器達に抱く感情的な見方と、価値を見出す考え方です。もちろん、これは私個人の意見であって、一般論ではありませんのでご承知おきください。もし、貴方も私と同様に、歴史的な背景と価値観を感じる事のできる方で、この楽器を所有する事に喜びを感じて頂けるならば本当に最高です。 そんな理由とこだわりもあって、私は当時のその地方(伊や仏以外の欧州地域も含む)の楽器を求めて止みません。中には新作の中国製も所有していますが、使用(演奏)する満足は得られても、所有する満足は得られてません。求めるモノが違うからです。 ◆A fine Old French violin Bow H.R.Pfretzschner 1930 4/4◆刻印:MARMA(←画像参照)鑑定書:Daniel Buruckner ca;1930ラウンドスティックスティック材:かなり上質なフェルナンブコ材フロッグ:エボニー黒檀スクリュー:ジャーマンシルバーフェルール:ジャーマンシルバーFull Size (4/4)重量:約 59.5g
@@@↓H.RPfretzschnerについて独ウィキを翻訳してみました。Hermann Richard Pfretzschner ( 1857 年2 月 8 日、 Markneukirchen で † 1921 年Markneukirchen で) は、ドイツの弓製作にフランス式を導入したドイツの弓製作者でした。Hermann Richard Pfretzschner は、弓と弦の製作者 Carl Richard Pfretzschner の息子でした。父の工房で弓作りの基礎を学ぶ。1873年、彼はパリのヴァイオリン製作者で弓製作者のジャン・バティスト・ヴィヨーム(1798-1875)の最後の弟子となった。ヴィヨームはフランスの巨匠フランソワ・トルテ(1747-1835) に倣い、弓に現在の形を与え、ペルナンブーコ材を初めて使用しました。[1] 1880年、プフレッツシュナーはマルクノイキルヒェンのボヘミアン・ザクセン音楽コーナーに会社HRプフレッツシュナーを設立しました。. 1901年、ヘルマン・リヒャルト・プフレッツシュナーは「ザクセン王室御用達」の称号を授与され、弓のカエルにザクセン王家の紋章を刻印する権利が与えられました。1911 年、ヘルマン リヒャルトはザクセン ワイマール大公から「ザクセン大公宮廷御用達人」の称号を授与されました。ヴァイオリンの弓のさらなる発展は、ヘルマン・リヒャルト・フレッツシュナーがヴァイオリンの巨匠アウグスト・ヴィルヘルム(1845-1908) と協力して成し遂げました。アウグスト・ヴィルヘルムは 1903 年に直接会い、彼の提案に基づいてヴィルヘルム・モデルを開発しました。彼は後にこのモデル名を法律で保護しました。1914年、ヘルマン・リヒャルト・プフレッツシュナーは、父親から弓製作の仕事を学んだ息子のヘルマンとベルトルト・プフレッツシュナーに事業を引き継ぎました。ヘルマン・リヒャルト・プフレッツシュナーは、戦争のために事業を再び引き継がなければならなかった後、1921 年に亡くなりました。1958年に叔父のヘルマンが亡くなった後、父ベルトルトから弓職人の仕事を学んだホルスト・プフレッツシュナーが会社の事業を引き継ぎました。1966年、彼はこれまで独立していた家族のワークショップを州のPGHシンフォニアに組み込むことを強いられたと感じました. 1972 年には国営企業 VEB Sinfoniaとなり、1985 年にはVEB Musimaと提携しました。今日、会社は再び家族の手に委ねられています@@@
ドイツの有名工房Daniel Burucknerより購入、元プロ奏者が使っていたとの事で購入した記憶が有ります。当時は凄い高額だなと思って購入決定し、手に取ってみると製作精度も材も性能も納得のいく弓でした。又、この当時の良質な弓に使用されているフェルナンブコ材は、今では少なくなった明るい色目で、宝石の様にキラキラしたうねり模様があり、見ているだけで高級感と言うか名作を所有する感覚が得られます。その他の特徴は、折れ無し、変な曲がりナシ、特にトラブルはナシ、操作感や音については各個人で趣向が違うので特筆しません。何度も書きますが、この弓はかなり高度な製作精度で作られていると思います。 ----以下、お約束事です。---- 入札を検討して頂ける場合、気になる事は入札前に早めに質問して下さい。 (私自身がタイムリーに返答できない時もある為)質問や価格交渉などは、公平性を保つ為に質問欄よりお願いします。古いバイオリン弓という性質上、経年による劣化は避けられない事もあり、現状渡しとなる事をご理解下さいませ。 経年劣化における心配がある方は、入札を控えて頂いた方が宜しいかもしれません。 発送は塩ビ管に入れてお送りします。 オークション外でも交渉する事もあるので、突然のオークション中断の可能性もありますがご了承下さい。その際は、なぜオークションを 取り消したのかと言う理由を追記致します。 又、私の時間的都合などもあり、試奏も見学も受付けられない事を予め ご了承ください。 手間と時間を掛けて販売するなら、オークションで安価で出品したり致しませんので、ご理解頂けますと幸いです。 ケースに入れての発送をご希望の方は落札後にご相談下さい。 弓専用ソフトケース(有料)なら在庫有ります。送料はご負担ください。 別途、有料で宅配保険付きでの発送も可能です。取引となった場合ですが、即時対応できない時もありますが、 遅くとも1週間程度で全ての対応を終わらせる事を誓います。ご検討宜しくお願い致します。 @この文面における内容は、私見における印象を書いており、一般論ではありません。@ご存知の通り、人それぞれモノの考え方も違えば、感じ方も違うと思うので、上記の説明文が全て正しいとは限りませんのでご理解下さい。@WEB以外に直接オファー頂く事もあるので、途中で出品を取り下げる場合もあります。@オークションが低調な場合も、途中で出品を取り下げる場合かありますが、予めご了承下さいませ。→最低落札想定価格は安価ですが、一桁万円とかの安さではありません。念の為。@私の個人的なお気に入りの楽器を、時折気まぐれで出品しますが、売るのが惜しくなって途中で出品取り下げる場合もあります。@未だ、この後にランダムに出品していく予定ですが、手の届く範囲での楽器のみオークションに出す予定なので、お好みの楽器が有れば是非ご検討くださいませ!@最近、NETオークションでの出品で、どう見ても電動機械工作で作られた量産品の弓を、マイスター作品やHighグレードと謳っている場面を見かけます。その出品者に罪は無いのかも知れませんが、入札・購入される方には予め注意を促しておきたいと思います。10万20万以上の高額になってくると駄作を掴んだ感が半端無く大きいので、買う側にも責任が伴う(ある程度の知識が必要)という事をご提案致します。